ソ・ラ・ノ・ヲ・トの評価・考察・紹介


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」はアニプレックスのオリジナルアニメプロジェクト、アニメノチカラの第一弾の作品です。キャラデザインは岸田メル、監督は神戸守と結構豪華です。全12話ですっきり見ることが出来るので、良く完成されたアニメだと思います。音楽も

当時はけいおんが流行っていたので、絵が似ている為、私たちの間では本格ミニタリーけいおん第二期なんて揶揄されました。ウィキペディアにはジャンル「軍事」と書かれていました。いったい何が軍事ダ!と軍事オタクの私は絶叫したくなります。

主人公はラッパ吹きなのですが、戦争とはかけ離れた物語が進行します。初回のシーンは本当に期待しました。当時は軍事モノが絶悦状態でしたから、軍事的な要素が入っていたこの作品を見たとき、かなりテンションが上がりました。なんせ主人公が兵士たちと一緒に貨物列車に乗っていたんですから。

軍事オタクなら誰でも容易に想像します。これは間違いなくスターリングラードに行くな!

物悲しい音楽に、ドイツ軍の軍服、果てしなく広がる穀倉地帯。ウクライナあたりをスーリングラードに向かう列車を想像してしまいました。しかし、ついたのはまったく戦果と関係のない街。惜しいところまで行ったと思います。

作品の空気、世界設定はかなり好きです。どこか風の谷のナウシカを彷彿させます。かつてあった高度な文明は、戦争の果てに滅度し、人類は1940年代のようなパラレルワールドで暮らしています。環境汚染は進み、人類は少しづつ死に絶えていきます。科学技術は歪んだ方向に進歩を続け、人類の明日は見えません。

しかし、そんな世界でも人間は戦争を止めません。作品の中で、登場人物達は戦争が終わったのにもかかわらず、その災禍を引きずりながら、そのかくも醜くも美しい世界で生きています。死にゆく世界でも、綺麗なものがあると信じさせてくれます。

結局、本格軍事アニメではありませんでした。しかし、第二期やってくれないかなと願う私がいます。もちろん脚本と監督は私で。今度こそ本格軍事アニメに仕立てあげてやります。その下地はあったので、惜しい作品だと思います。