広島県呉市の戦艦日向の沈没場所の行き方・見どころ観光情報


戦艦日向沈没場所

戦艦日向は、旧日本海軍連合艦隊所属の伊勢型二番艦です。伊勢型は、扶桑型の弱点に改良を加えて設計されました。日本海軍の戦艦として太平洋戦争を戦い、姉の伊勢と共にあのエンガノ岬沖海戦に参加します。伊勢と共に激戦を生き延び、呉に帰還することができました。

伊勢型戦艦は歴史的にも珍しい航空戦艦に改装されたことで有名です。最上型も航空巡洋艦として改装しました。空母戦力の補充という目的で、戦艦や巡洋艦の戦闘力を極力保持したまま、航空打撃戦力を拡充しようとした結果生まれた、世にも珍しい日本独自の艦種です。

赤城は巡洋戦艦、加賀は元々は戦艦であり、あの長門を上回る戦艦として生まれるはずでした。しかし、ロンドン海軍軍縮条約と二より、航空母艦として誕生することになりました。しかし、時代は航空母艦を運用するドクトリンがトレンドになっていました。空母の拡充は時代の流れだったのです。

1942年のミッドウェー海戦の惨敗を受けて、海軍は急遽航空打撃戦力の運用に迫られました。そこで速力も遅く、あまり実践に投入できないでいた旧式戦艦群を空母に改造しようという計画が出来上がったのです。扶桑型も空母に改造する計画もあったようですが、5番砲塔で爆発事故を起こしていた日向が手始めに改装されました。

5番砲塔と6番砲塔を撤去し、飛行甲板を設置しました。また、当時最新式であった噴進砲を対空兵装として導入したのです。こうして、史上初の航空戦艦として生まれ変わりました。瑞雲と彗星22型を搭載し、戦艦の砲撃力と航空戦力を運用できる艦種となったのです。

しかし、どうも器用貧乏な性格の艦種となってしまい、実践に投入出来にくい艦艇になってしまいました。また、搭載機数は22機程度で、中途半端な戦力を運用できる性能にとどまってしました。航空戦力は大きな数を投入しなければ意味がなく、あまり戦局に大きな影響を与える事は出来ませんでした。

1945年には呉の情島沖に係留され、浮き砲台としての役割を与えられました。1945年7月24日の呉空襲で米軍機の猛攻を受けて、7月26日に情島沖で大破擱座してしまいます。呉市の南南西に位置する情島は、瀬戸内海に浮かぶとても小さな島ですが、現在は旅客船も就航しており若干ですが暮らしている方もいます。

戦艦日向の沈没の碑などは戦艦伊勢日向浮揚解撤記念碑として、姉の伊勢と共に一緒に弔われています。海軍墓地(長迫公園)にはしっかり軍艦日向のお墓があります。呉市の海軍公園は是非一度足を運んでみるといいでしょう。

管理人は、日向が沈んだ海域を見に行きたいという目的があったので、沈没場所が見える情島の近くまで足を運びました。呉市から国道487号線を使って、倉橋島までわたります。その際に音戸大橋を車通過します。綺麗なところで、かなりの絶景でした。呉本土と倉橋島を隔てる水道は、かつて繋がっていたとも、かなりの浅瀬だったとも言います。しかし、かの平清盛が運河として整備したという伝説が残っているのです。

厳島神社を整備したことで有名な平清盛ですが、それ以上にこの人物は宋との貿易に力を入れた人物として有名です。実に経済的な視野があったことが今ではわかっています。港の整備も手掛けており、海運という交易手段の凄さを理解していたのですね。広島から神戸・大阪に舟で向かう場合、南に南下し江田島を避けて迂回しなければいけません。しかし、倉橋島と呉本土をつなぐ小さな隙間を開けることにより、より短距離で近畿方面に船を出すことが可能となります。つまり、運河として整備された場所なのです。今ではループ状の道路と赤色の鉄橋が実に綺麗に整備されています。

ループ状の道路を使って、橋を降りたらしばらく国道487号線を海沿いに移動します。しかし、そのまま運転していると江田島まで行ってしまうので、途中の海洋水産技術センター入り口という十字路があるので、海洋水産技術センターに向かうように国道から外れましょう。カーナビを使うことをお勧めします。行先は広島県立水産海洋技術センターに設定しておくといいでしょう。

ちょうど岬のように出っ張った地形になっており、広島県立水産海洋技術センター周辺まで行くと、すぐに情島が見えてきます。砂浜などが見えるので、車を路肩に止めて伊勢の沈没場所を見てきました。路上駐車は本当はダメです。しかし、あまり交通量の多い場所でもないので、路肩駐車でも大丈夫かも知れせん。私は広島県立水産海洋技術センターまで行かず、少し手前の空き地に駐車しました。

くれぐれも迷惑駐車をしないようしましょう。また、すぐに車を発進させれる状態にしておきましょう。

私が訪ねた際は、非常にきれいな情景が広がっていました。いまは静かな瀬戸内の海が広がり、70年前に激戦があった地とは思えません。今は静謐な海で静かに眠っていてほしいですね。日向の名は現在、自衛隊艦艇に受け継がれています。ひゅうが型ヘリ搭載母艦として活躍しています。