青森県のそばは美味しいと思います。正直、長野や山陰のそばも食べました。その上で、本場にも負けないくらいクオリティーの高いそばを食べられるお店もたくさんあります。総じて青森県のお蕎麦も美味しいのです。
今回紹介したいのは青森県三沢市のとあるお蕎麦屋さんです。正直、格式ばった老舗のお蕎麦屋さんではありません。何と駅そばなのです。青森県の南東部を中心に観光バスなどを運航している十和田観光電鉄という会社が経営しているお蕎麦屋さんです。
十和田観光電鉄は、青森県三沢市から青森県十和田市を結ぶ鉄道を経営していた企業です。小さな私鉄でしたが、現在は廃線となりバスなどを中心に営業しています。現在は使われなくなった十和田観光電鉄三沢駅の構内に、お蕎麦屋さんコーナーがあるのです。
駅そばと聞くと、駅の構内の片隅にちょっと営業しているお蕎麦コーナーのような立ち食いそばを思い浮かべてしまうかもしれません。三沢駅の駅そばは、立ち食いではありませんが、すごく狭くて正直立ち食いソバとは大差ありません。
専門のそば打ち職人がいるわけでもありません。年季が入った店内に、おばちゃんたちが数人で切り盛りしている小さなお店です。しかし、ここの駅そばがべらぼうにおいしい。あっさり出汁、香る蕎麦、天ぷらの良いコク。低価格が嬉しく、大勢の人がいつも食べています。
十和田観光電鉄の三沢駅は非常に古く、とても昭和の臭いを残した建築物です。電車が通っていた時代のホームもいまだ残っており、ノスタルジーを感じます。休憩スペースには昔ながらのストーブ、アイスの自販機、ガムの自販機など、いつ行っても懐かしさを感じます。
駅そばはこのお店の雰囲気をいつまでも残してほしいと思います。三沢市の蕎麦屋さんの中で、駅そばが一番おいしいと思っています!