さて、今回はベルリン市内のとある観光スポットを紹介します。今回のドイツ旅行の大きな目的の一つです。ベルリンの中央には、大きな自然公園である”ティーアガルデン”が存在しています。もともとは王室の狩場だったそうで、池や沼地もあり綺麗に整備されています。
そのティーアガルデンのど真ん中に「戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)」がそびえたっています。ティーアガルデンを東西南北、縦横に大きな道路が走っており、それらが交差する中央にあります。「戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)」とは、ドイツがまだプロイセンと呼ばれていた頃に経験した、大きな二つの戦争に勝利した記念に建築されたレリーフです。
詳細は割愛しますが、プロイセンが周辺の小国を統一するため、当時この地域に大きな影響力を持っていたオーストリアとフランスと戦い大勝利を収めました。オーストリアとフランスは当時の超大国です。これらに圧勝したプロイセンはドイツ帝国と成立させます。このあたりの歴史的な流れが、ドイツという国のナショナリズムの大きな要素となっているかと思います。
オーストリアとの戦争(普墺戦争:1866年)ではケーニッヒグレーツの戦いに勝利し、フランスとの戦争(普仏戦争:1870年-1871年)ではセダンの戦いではナポレオン三世を捕虜にするなど、近代戦ではありえないような大勝を収めます。このあたりの歴史的な人物としてはビスマルクやモルトケが有名です。皆さんも名前は聞いたことがあるでしょうか?戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)は、こうしたドイツにとって特別な戦争勝利の記念碑なのです。
今回はホテルから歩いて向いました。ティーアガルデンの中を散歩がてら行くといいかもしれません。中央の環状交差点の中にあるため、地下通路を通って記念塔の下まで行きます。地下通路から外に出ると、存外高い建築物であることがわかります。地下通路も、石造り風に建ててあるので、こういうところが風情があっていいですね。
遠くから見ていると、あんまり高くない感を受けます。東京スカイツリーや東京タワーを見ている私たちにとって、格段高いとは感じません。しかし、周辺に高い建造物がないので、非常に高い建物に感じます。戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)の下まで行くと、かなり大きな建物であることが実感できます。当初、この塔は国会議事堂の前に建っていたそうなのですが、第三帝国時代に今の場所に移されたそうです。
塔と聞くとオベリスクのような単純な石を積み上げたもののように聞こえますが、戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)はちゃんと中に入ることができます。この戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)は何なのか、解説展示がたくさんあります。ちなみに受付があり有料となっています。近くに行くと、傷が見えます。壁にポツポツと窪みがあるのですが、これ、第二次大戦中、ベルリン市街戦の時にできた傷なのだそうです。
管理人はこのプロイセン時代の歴史が大好物ですので、こうした場所に行くことができて感無量です。特にモルトケと参謀本部は近代軍事史の伝説となっており、歴史的にみても非常に興味深い時代でもあります。ちなみに、塔の土台部分にはプロイセン時代の戦場を装飾した青銅板があります。モルトケやビスマルクがいます!
さあ、今回は長くなりそうですので、次回の記事で続きを書いていきたいと思います。