青森県には多くの自衛隊基地があります。三沢には航空自衛隊と在日米軍。八戸には陸用自衛隊、車力村にはPAC3の部隊など、本州最北端の土地として多くの軍事施設が存在しているのです。
特に、海上自衛隊大湊基地は戦前から北の要衝として海軍の重要な基地でした。大湊警備府が置かれ、鎮守府ほどではないにしろ、それなりの規模の軍港が整備されました。現在もドック施設などがあり、艦艇の整備もできる北の拠点です。
津軽海峡の警備などを主な任務としており、護衛艦も多数配備されています。歴史のある軍港ゆえに、今でも旧海軍の資料を保存した資料館「北洋館」があります。一般開放されており、無料で見学することが出来ます。大湊基地では、護衛艦の見学会も開催しており、北洋館で受付をしています。
北洋館には旧海軍関係の資料だけではなく、現在の海上自衛隊の資料、幕末の函館戦争の解説や、戊辰戦争からの歴史の資料館となっています。靖国神社の遊就館ほどではありませんが、当時の資料が多く保存されており、歴史・軍事好きの方はぜひ訪ねてみるといいでしょう。
大湊基地に関するモノだけではなく、日露戦争から太平洋戦争までの、旧海軍関連の幅広い資料が展示されています。特に、興味深いモノでは、海軍史の有名人の書が多く展示されています。伊東祐亨、上村彦之丞、木村昌福、永野修身、米内光政などの人物の書が飾ってあるのは感動的です。残念ながら達筆すぎて、学のない管理人には何を書いてあるのか分かりません。
他にも、当時の機銃や艦艇の紹介、模型なども多く飾ってあります。特に目を引くのは、重巡那智の大型模型。1941年、アッツ島沖海戦のために大湊から、第五艦隊旗艦として出撃したため縁があるのです。
青森県内では一番大きな海軍関係の資料館です。専門知識が無い方でも、係りの自衛官の方が丁寧に説明してくれます。勉強のために見学しに行くと大変為になります。下北半島にあるので、恐山と一緒に観光してみるコースがおススメです。
北洋館に行くには、おそらく車が一番おススメです。大湊線が通っていますが、本数が少ないので車が便利です。