ロボット残党兵の評価・考察・紹介


ロボット残党兵ロボット残党兵は、あの名作ロボット三等兵からタイトルを持ってきた作品ですね。舞台はパラレルワールドの昭和期。戦線にロボットを投入し、戦局の打開を図ったら?という仮想戦記です。

しかし、リアルな戦術戦記ではなく。ロボットとは?人間とは?人の尊厳とは?そんな問題を抽出することが出来る作品だと思っています。

機械技術が発達し、人間の体を機械にすることが出来るようになった時、果たして”あの時代”はいったいどのような世界になっていたのでしょうか?生命など、きっと考える余地もないほどに軽いものになっていたのかもしれません。

負傷兵はすぐに直されて戦線に再投入される。兵站が抜群に軽くなるので、戦線が無限に広がる。果てしない惨禍が待っていると想像できます。

人間がロボットの体を手に入れたとしても、心は残るのでしょうか?狂気の時代に人間の善意は踏みにじられてしまうほどもろいものなのでしょうか。バトルの要素が前面に押し出されていますが、凄惨な戦争のバトルマンガです。戦争と人間の狂気をよく描いた作品だと思います。

心があれば人間なのか?どこまで人間は人間足り得るのか?そんなとても深いテーマが隠れているような気がするのです。隠れた名作だと思います。サブカルチャー的には、ありきたりなテーマですが、いざ作品にしてみようと思うのはなかなか難しいのではないでしょうか。