大和ミュージアムの前には陸揚げされた巨大な潜水艦があります。海上自衛隊で使用されていた、ゆうしお型潜水艦7番艦あきしおです。海上自衛隊で使用していた潜水艦がそのまま陸上にあるのは異様な光景に見えてしまいます。
呉駅から徒歩で5分程度で付きます。呉駅からゆめタウン呉というショッピングモールを通り抜ける連絡通路があるので、楽に行けるようになっています。ゆめタウン呉から外に出ると、すぐ海のそばに潜水艦が見えます。まさに陸にあがったくじらです!
現在は海上自衛隊の資料館として、ミュージアムになっています。普段はめったに見ることのできない潜水艦内部を見学することが出来ます。現在海上自衛隊が持つ潜水艦は、ディーセル潜水艦としては世界最強です。原子力潜水艦と比べて、確かに遠洋航行性は劣るかもしれません。しかし静かなること林のごとし。非常に優秀な無音潜航性を保持しています。
日本が持つ虎の子兵器で、頑張って最新鋭の潜水艦をどんどん更新しています。現在最新鋭のそうりゅう級は、オーストラリアなどがとにかく欲しがっていますね。残念ながら、オーストラリア海軍の潜水艦はフランスの潜水艦に決まってしまいました。しかし、受注競争に敗れたといえど、潜水艦の技術や性能は世界有数なのです。
館内は海上自衛隊の資料館にもなっています。特に海上自衛隊が創設当初から行ってきたメインの任務、掃海活動の資料が多く展示されています。掃海とは、海上にあって航行の安全を確保するという作業を指します。
具体的には、機雷などの撤去作業を行います。機雷というのは、一世代前までは非常に有効な兵器として扱われました。安価で大量生産可能。そして敵海軍に与える地味な影響がとても素晴らしいのです。かつて日露戦争では機雷のために、日本海軍は対露の要であった虎の子戦艦、初瀬と八島を失いました。ロシア軍は多数の船舶と名将マカロフを失っています。
創設以来、世界中の掃海活動を行っているのが海上自衛隊です。現代でも、機雷は海上戦力を封じ込めるのには有効な手段であり、機雷があちこちにばらまかれています。アデン湾の掃海活動は特に有名ですね。今まで活動の歴史や、装備などが多く展示されています。
もちろん、潜水艦内部の事もよく知ることができます。装備や部屋、ご飯の献立などもあります。外観の潜水艦にも入ることができます。潜水艦の中がよくわかって興味深いものです。
珍しいのは各国海軍の徽章が展示されていました。その中に何とオーストリア・ハンガリー帝国海軍の徽章がありました。これはいったいどのような経緯であるのでしょうか?
実は潜水艦技術というのは、戦前から日本は優秀でした。現在も最優秀のディーゼル潜水艦を多数保持しているのは、こうした戦前からのノウハウの積み重ねだったのですね。戦後に、ニミッツ元帥が語っていますが、優秀な潜水艦隊を保持していたのにもかかわらず、旧日本海軍は潜水艦の使用方法をいまいち掴みきれませんでした。
海上自衛隊の装備している潜水艦は最新技術がとくに素晴らしいのです。現在の国防はしっかりと過去の反省点を踏まえて、潜水艦隊の運用を重要視しているのです。