【宇宙戦艦ヤマト】デスラー総統万歳


デスラー総統万歳デスラーとは、アニメ宇宙戦艦ヤマトに登場するキャラクターであり、地球侵略を目論むガミラス帝国の最高権力者です。

最近、宇宙戦艦ヤマト2199を見ました。今更というか、やっとと言いますか・・・。そのため、今回は宇宙戦艦ヤマトについて語ってみようと思います。

日本を代表するサブカルチャー「アニメーション」。その歴史の中でもSFアニメの草分けであり、金字塔として燦然と輝く偉大なる作品「宇宙戦艦ヤマト」。鉄腕アトム以来、日本が培ってきたアニメ技術と文化を一気に昇華させ、SFアニメというジャンルを切り開いた名作です。

宇宙戦艦ヤマトの登場により、日本のアニメは一気に花開き、後に機動戦士ガンダムや銀河鉄道999という日本SFアニメの流の源流となりました。アニメやサブカルチャーの歴史の流れを見た時、宇宙戦艦ヤマトの登場を第一次アニメ革命と呼ぶ方もいるようです。また宇宙戦艦ヤマトに影響を受けた監督や文化人は多く、庵野秀明さんや出渕裕がいます。

アニメの悪役・敵役として思い浮かべるのはいったい誰でしょうか?SFアニメにおいて、機動戦士ガンダム以降、国家間の対立や経済戦争が設定上描かれて、簡単に善悪を論じることができなくなっていきます。皆正義があり、戦う理由があります。しかし、機動戦士ガンダムの登場より前に、単純な善悪観念ではない設定を持ち込んだのが宇宙戦艦ヤマトです。

しかし、まだ制作会社のスタッフや社会がSFアニメに対しての理解などが早熟であった為、当初アシュラ男爵やバビル二世のヨミなどの分かりやすい悪役として登場したのがデスラー総統です。そして、偉大であり”大物”としての悪役の登場であったのです。

残酷な性格であり、国家の絶対的な権力を握る人物。部下に躊躇なく死を与えることができる人物であり、目的遂行の為ならどんなことでも命令できる冷血漢。優雅な立ち振る舞いと、キザな台詞をはける紳士。そして狂気の独裁者。それがデスラー総統です。

しかし、上記のように宇宙戦艦ヤマトというアニメの設定は、文化と文明を持った星同士のむなしい戦争として描かれた側面がありました。己の快楽や私利私欲のために戦うのではなく。ガミラスという国家のために闘う人物としてデスラーは登場します。

強権的な独裁者でありながらも、統治者であり指導者。激烈な民族主義者であり、民族の自決のために闘う姿勢を常に保持します。デスラー総統は、まさしくガミラス民族の総統であり、己と国家を同一視する偉大な人物です。尊大なキャラクターの裏には、国家と民族の存亡のために、戦う指導者の影が隠れているのです。

デスラーとはガミラスであり、ガミラスとはデスラーなのです。ただの恐怖政治を行う指導者には誰もついていきません。彼にはガミラスという国家の頂点に立ち、民族を率いていけるだけの器量がある人物だったのでしょう。それゆえ、将兵がついていくのです。総統として偉大なるガミラスの統治者として高いプライドをもっています。敗北と失敗を嫌い、どこか戦争と勝利を神聖視している個所も見受けられます。

デスラーとガミラスはナチス第三帝国を模倣しているようにも感じます。ヒスはルドルフ・ヘス、ドメルはエルヴィン・ロンメルですね。でも、デスラーはヒトラーでしょうか?それはプロデューサーの西崎義展さんや松本零士さんが否定しています。デスラー総統は、自ら戦場に立ち、武人として戦うことを恐れません。武勇をもって先頭に立つ姿勢を崩さないことがデスラーをただの独裁者としていない証拠ではないでしょうか。指導者、統治者のあるべき姿としてローエングラム王朝の初代皇帝ラインハルト一世も言っています。

宇宙戦艦ヤマトを見た時、「ヤマトの諸君!」「タラン、デスラー砲用意。」この言葉が非常に耳に残ります。