ムンスター戦車博物館は入館してからどんどん時代が進み、我々が見たい第二次世界大戦の主力兵器群に近づいていきます。最初は第一次世界大戦の兵器。それから88mm砲。そして20mm単装Flakと、徐々に時代が進みます。そして前回の記事で紹介した通り、一号戦車が見えてきます、ついに第二次大戦期の兵器群が展示されているコーナーまでやってきました。
第二次大戦初頭、ポーランドをたった1カ月弱で地図から消してしまったドイツ機甲師団。プロパガンダでも盛んに喧伝されますが、当時は世界最強と言っていいでしょう。但し、それは個々の兵器の性能だけではなく、機甲戦術のドクトリン。そして何より速度戦にポーランドがついていけなかったという要素が大きいと思います。
無念の37mm対戦車砲
フランス電撃作戦でも同様で、個々の兵器性能では無論ドイツに優れていた兵器は多数ありましたが、逆に対戦国の兵器に手も足も出なかったという兵器もあります。例えばフランの配備した重戦車群。これはドイツ軍の配備した主力の37mm砲では装甲を打ち抜くことができず、だいぶ苦戦を強いられました。
有名なのが装甲を砲弾で叩くだけであったため「ドアノッカー」世呼ばれた37mm対戦車砲。もちろん、ポーランド軍が配備した軽戦車。もしくは他国の軽装甲兵器に対しては有効でしたが、「強力」な兵器ではありませんでした。これは回線当初からドイツ軍内で認識されており、のちに50mm、75mm、88mmと対戦者兵器群は巨大化していきます。
バランスの取れた38(t)
全周囲旋回砲塔と軌道戦術を実現した主力戦車は空陸一体となった電撃作戦ですさまじい戦果をあげます。ポーランドとフランスという欧州に跨った大領を制圧したのです、第一次大戦で辛酸を舐めたドイツにとってはさぞや痛快だったことでしょう。
当時はのちに主力となる3号や4号戦車はまだ前線での数は少なく、2号やチェコ製の38(t)戦車が有効に使われました。色々と欠点はありましたが、ドイツ機甲師団初期の主力として活躍した38(t)戦車が見れるとはオタク冥利に尽きます。
それにしても、まだ当時のものが残っているのがすごいです。ガルパンでもヘッツァーに改造されましたが、対戦車砲や突撃砲以外で残っているとは結構すごいものではないかと思います。