ガルパンと略されています。本来私のような硬派な軍事オタクを気取る人間は、あまり深入りするのは避けたいところなのですが、考察のために鑑賞しました。
世界設定はパラレルワールドの日本です。学園艦と呼ばれる、超大型の空母の甲板に街を作り、学園都市を形成している世界が舞台です。
その世界では、戦車道と呼ばれるエクストリームスポーツが存在します。様々な戦車に乗り、戦車戦を戦うことで、己の精神と肉体を高めようとする“スポーツ”です。
普通の女子高生が戦車に乗り、操縦し、徹甲弾を装填し、戦車戦を行う。正気の沙汰ではありません。
どうやらオタク世界という物は、ありえない組み合わせに魅力を見つけ出そうというアルゴリズムが働いているもののようです。
戦争、女子高生、戦車、制服、ありえない組み合わせに“萌え”を見つけ出そうとするのですね。いわゆるギャップ萌えというやつです。
しかし、戦車の構造や考察は確かで、しっかりと作画や設定が作りこまれています。しかし、アニメの中で見るような機動は絶対できねーよ!と突っ込みを入れたくなります。まあ、そこはアニメですね。
スポ根の風味を取り入れた、ユル軍事オタク向けの、萌えアニメといった感じでしょうか。軍事も好きだけど、萌えも好きという方は、気楽に鑑賞できるかもしれません。事実私は惰性で全部一気に鑑賞してしまいました。
このアニメを評価したい点は2点。
まず、このご時世に戦車という兵器にスポットを当てて作品を作り上げたこと。本格軍事なんて、需要がほとんどありませんから、それに準じた亜流の作品でも、世に送り出したことは評価したい。
正直、軍事と女の子という組み合わせ自体はあまり目新しくないです。かなり前から系譜はありました。しかし、ガルパンがどうしてここにきて脚光を浴びたのかは謎です。何かミニタリーものとは一線を画す遺伝子があるのでしょう。
それに、舞台の茨城県大洗町が町おこしに使っています。アニメや萌えキャラ、ユルキャラで町おこしは今時珍しい手段ではありません。しかし、地元自治体がしっかりそれに乗っていることでしょう。アニメ効果を漏らさずに活用している点です。
本作は以外にもしっかりストーリー構成がしっかりしています。友情、努力(?)、勝利がある作品です。まともに見れる作品というのが驚きでした。
戦争と歴史につきものである、悲惨・凄惨・死や血という要素が抜き取られている点が、一派にウケた要因の一つなのかもしれません。そういった意味では、けいおんとあまり変わらないです。
つまり、都合のいい世界がベースにあり、その上に軍事という要素を追加した。受け皿としてはみんなが見れる基礎が出来上がっているのです。
ちなみに、ガルパンで私が最も面白いと思ったのは、本作品ではなく、動画サイトに投稿されるMAD動画。特に総統閣下はお怒りですシリーズが異様に面白い。アニメを見た方は必見です。