【宇宙戦艦ヤマト】ガミラス軍人と忠誠


ガミラス軍人の忠誠宇宙戦艦ヤマトの敵陣営と言えばガミラス。作中では白色彗星帝国ガトランティス、暗黒星団帝国、ボラー連邦、ディンギル帝国などが登場します。しかし、やっぱり偉大なる敵陣営、そして偉大なる国家と言えばガミラスでしょう。

デスラー率いるガミラスは、第一部で崩壊しますが、デスラーは諦めません。母なる星を壊滅させられても国家の再建をあきらめません。一国の指導者の矜持があるのですね。しかし、彼一人よがりの覇道ではありません。残酷で無慈悲な独裁者でありながら、彼にはついてくる部下がいます。

デスラーの部下と言えば、忠臣タラン将軍。第一部で、彼は将軍という説明がありましたが、正直どういう役職なのか分かりませんでした。将官であることは間違いありませんが、実戦部隊の提督なのか、それとも軍政家なのかはっきり解説がありません。しかし、最後までデスラーに付き従います。その他にも多く将兵がデスラーに付き従うのです。

白色彗星帝国篇では祖国をヤマトに滅ぼされたため、ガトランティスの客将となりヤマトに報復戦を挑みます。ヤマトに敗れて宇宙を放流していた際に、ガトランティスに救われたのです。たった一人で漂流していたのにもかかわらず、デスラー再起の際には多くのガミラス艦隊が集結します。デスラーの名の下にガミラス民族が集まったのです。

まさにガミラス民族とはデスラーであり、デスラーとはガミラス国家そのものだったのです。宇宙戦艦ヤマト2199では、デスラーに反旗を翻し、内部抗争が絶えないイメージがありますが、デスラーに忠誠を誓う将兵も多くいます。

ちなみに、一番上の画像は宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟におけるガミラス軍人です。左の人物はバンデベル将軍という人物。このバンデベルなる将軍。宇宙戦艦ヤマト2199の世界においては、デスラー暗殺に失敗して、自分の艦隊でしょうか?と共に放浪をしていた人物です。ここに2199のガミラスとデスラー世界の実像を知ることができます。

ゼーリックなるゲーリング似の人物が出てきて、ガミラス内部の権力闘争が描かれます。デスラーは内部に多くの敵を抱えています。暗殺や派閥抗争を繰り返し、独裁者デスラーは国家を一枚岩にまとめ切れていない感じがしますね。これではデスラーが生き残っても集結する将兵は少ないでしょう。

ガミラスに栄光を

白色彗星帝国編のガミラス軍人
旧アニメ版本編では多くの将兵がデスラーに忠誠を誓います。上記のバンデベル将軍も登場します。戦闘空母指揮官としてデスラーの下に集まり、ヤマトに戦いを挑みます。しかし、敗れてデスラーの怒りをかって射殺されてしまいます。宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟でもあまりいい活躍はできない人物でしたが、原作の方では亡国にあってもデスラーに付き従う姿勢と忠誠心は評価されるべきかもしれません。

二枚目の画像は白色彗星帝国編のガミラス軍人達です。残念ながら左の人物はバンデベル将軍ではありません。しかし、右の人物は名前はわかりませんが同一人物でしょう。おそらく・・・。何という人物なのでしょうか。原作は、絵は古いですが、デスラーに付き従う人々はどこか軍人精神あふれるキリリとした顔に見えます。

2199では、忠誠心無い軍人という括りでアホずらに見えます。ここに、製作陣の弁明や主張が見えるような気がします。本当はデスラーとはこういう人物ではない。デスラーに好き従う軍人は、もっと勇敢である。あえて対照的な描写を作る(あんまり明確な対比的な描き方ではないかもしれませんが)ことで、原作の気高いデスラーとは違うと言っているような気がします。

宇宙戦艦ヤマト2199では本土決戦をしませんでした。つまりガミラスは滅亡せず、ガルマンガミラスの建国も無い。イスカンダル編では描ききれなかったデスラー像を描けない分、製作陣はデスラーをいかなる人物として描くか悩んだに違いありません。バンデベル将軍をほんの少し出すことは、本来のデスラーという人物とは違うと言っているような気がします。

原作のガミラスの軍人はデスラーに厳しく奉仕することを求められますが、それに負けない忠誠心があるのです。大マゼランに版図をかかげたガミラス。本星を滅ぼされながらも、デスラーさえいればいつでもそれに付き従います。デスラーが生き残ってさえいれば、いつでも国家を再建できるのです。

タランしかり、彼らがいたからこそ、ガルマンガミラスを打ち立てることができたのでしょう。