蒼天航路の評価・考察・紹介


蒼天航路三国志は日本人に最も愛されている中国史の物語ですが、多くの人が知るのは横山光輝さんの「三国志」でしょう。特に小中学校の図書室には必ず置いてあって、読んだ人も多いのではないでしょうか。横山さんのマンガで、三国志という物語を初めて読んだ人も多いことでしょう。

しかし、横山さんの三国志は三国演技であって、正史三国志ではないのですね。三国志のをノベルやマンガにする場合、劉備という人間をどういう位置に置くかが難しいポイントです。逆に曹操をどのように描くかが、三国志という物語の肝になります。

横山三国志の影響が強いため、三国志は曹操が悪者、劉備が悪者というイメージが強いものです。しかし、蒼天航路は、横山三国志のイメージを完全に払しょくする作品になりました。曹操という人物に焦点を当てて、壮大な物語を描いています。

横山三国志で語られることがなかった官渡の戦いを描いています。同時に曹操の配下の諸将が魅力的に描かれていますね。荀彧、程昱、荀攸、郭嘉、賈詡など幕僚たちが大好きです。この激しい物語の中で、軍師たちの生き様もまた見どころの一つです。

曹操が主人公なので、物語は曹操の死と共に終わりますが、その後の話を見たかった気がしますね。